2019年5月23日木曜日

【安全】切込みの原因はローロック角度調整ではなかった。

概要

 ハルの分離が切り込みの原因になる。
 これは私の持論です。確証は未だです。
 今回、問題のシングルスカル7番の左右のローロック角度が艇体陸置で計測されました。結果は左右舷ともミドルで4度と正常でした。少なくとも、陸置きで計測したローロック角度に左右舷共に異常はなかった様です。
 私の持論が一歩前進しました。

 陸置でなく、湖に浮かべ、体重が私と同等の70kgの漕ぎ手がキャッチの位置まで船尾に最寄った時の水面基準のローロック角度を計測したら、ハル分離のある右舷のローロック角度は4度より小さくなり、オール切り込みの原因になると推測します。

水切り部分の長手方向、約3~400mm程
上板とハルが分離している
その為縦剛性が低下している。
出典、ボートクラブ池田氏、ローロック角度計測時に撮影

詳報
  • 宮ヶ瀬湖漕艇日記、5/11土版で、私が漕艇したシングルスカル7番で右舷のみ時々、何度もオールが切り込み、沈(転覆)しかかったことをご報告しました。その際のローリングも大きかったです。
  • 桟橋に着いたら、Mr氏がハルの右舷の剥離に気付かれた。
  • 私はこの状態は艇の剛性が著しく低下していると思われ、クラブ内には、この1xの使用を控えるよう、連絡しました。安全第一です。
  • この艇体の分離と切り込みには因果関係があるとも報じました。
  • ローロック角度が原因と早速計測されたましたが、陸置きでの計測結果では、左右とも同じ、異常は認められませんでした。
持論
  • 剥離の状態、剥離が400mm迄広がっていることから、この剥離はこのシングルスカルの長年の使用から来ていると考えられます。
  • 同時に、この部分にかかる力が如何に大きく、また、この部分の健全性の大事さを感じます。
  • この箇所は複合材料のハルと木製の板を張り合わせて、一種のL型構造です。ところが分離した状態では、側面にあるハルが支えを失った、単に一枚の薄板になります。
  • 構造体である上板から接着力を失い、分離したハルは艇体に上向き方向の浮力、漕艇者の体重による下向の重力が加わると艇体は真横から見ると「逆への字」にたわみます。
  • その時ハルは上部に圧縮が生じます。この圧縮に対して、ハルが結合している場合と分離している場合では、その変形が大きく違います。
  • ハルの圧縮は結合している場合は、接着された上板構造が受けますが、分離している場合は、ハルは座屈し外側に膨らむでしょう。この膨らみが、艇体の「逆への字」のたわみをますます大きくする。と考えられます。
  • 分離範囲が400mmに達したのも、ハルに対する圧縮の繰り返しによるものと思います。
  • ハルが分離している箇所よりスターン側にローロックはありますので、沈み込みが大きくなる、「逆への字」が大きくなる。つまり、余計に前傾する。ローロック角度は小さくなります。
  • これが切り込みの原因と思われます。
  • 以上は定性的な話であって、定量的な評価が必要でしょう。
  • いずれにしても、再接着の修理完了後、早々に漕いでみたいものです。
  • 切り込みが相変わらず発生するか否か?
ご安全に!

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